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衛生管理者試験で多くの受験者が苦手とするのが「関係法令」の科目です。特に第一種試験では有害業務に関わる科目も加わり、法令の種類と義務の対応関係を覚えることが大きな壁となります。
この記事では、関係法令科目の全体像と頻出テーマ別の攻略ポイントを解説します。
関係法令科目の全体像
衛生管理者試験の関係法令は2つのカテゴリに分かれます。
| 科目 | 第一種 | 第二種 | 問題数 |
|---|---|---|---|
| 関係法令(有害業務なし) | あり | あり | 第一種7問、第二種10問 |
| 関係法令(有害業務あり) | あり | なし | 第一種10問 |
第二種は有害業務なしの科目のみですが、問題数が多いため出題範囲が広いのが特徴です。
有害業務なし:頻出テーマと攻略法
テーマ1: 安全衛生管理体制
頻出問題のポイント
- 衛生管理者・産業医・安全衛生推進者の選任義務(常時何人から必要か)
- 衛生委員会の設置・委員構成・開催頻度・記録保存
覚え方
「人数ライン表」を一枚作って毎日見ることが最も効果的です。
| 人数 | 必要な措置 |
|---|---|
| 10〜49人 | 安全衛生推進者(または衛生推進者) |
| 50人以上 | 衛生管理者・産業医・衛生委員会 |
| 1,000人以上(有害業務500人以上) | 専任衛生管理者・専属産業医 |
| 300人以上(製造業等)/ 1,000人以上(その他) | 総括安全衛生管理者 |
衛生委員会は月1回以上の開催・議事録3年保存が義務。この組み合わせはセットで覚えましょう。
テーマ2: 健康診断
頻出問題のポイント
- 一般健診(年1回)vs 深夜業・有害業務従事者健診(6か月ごと)
- 健診結果の記録保存期間(一般5年・石綿等は30年)
- 健診結果報告書の提出義務(常時50人以上の事業場)
覚え方
健診の「頻度の例外」に着目しましょう。「通常は年1回」が基準で、深夜業・有害業務従事者のみ6か月ごとに増えます。
テーマ3: ストレスチェック制度
頻出問題のポイント
- 義務: 常時50人以上の事業場で年1回実施
- 受検は任意(強制不可)
- 高ストレス者への面接指導は本人申出が必要
よく出る引っかけ: 「50人未満は努力義務(義務ではない)」「個人結果を本人の同意なく事業者が取得するのは禁止」の2点が頻繁に問われます。
テーマ4: 過重労働・面接指導
頻出問題のポイント
- 面接指導の対象: 時間外・休日労働が月80時間超で疲労蓄積があり申し出た者
- 面接指導は事業者の義務
- 結果記録は5年保存
覚え方: 「80時間 = 過労死ライン」という社会的な認識と合わせて覚えると忘れにくいです。
テーマ5: 安全衛生教育
頻出問題のポイント
- 雇入れ時・作業内容変更時の教育は義務
- 費用は事業者負担・就業時間内に実施
- 特別教育(高圧電気・酸欠・石綿等の危険有害業務)は義務
覚え方: 「教育の費用は会社持ち」「特別教育は就かせる前に必ず実施」の2点をセットで覚えましょう。
有害業務あり:頻出テーマと攻略法
テーマ6: 有機溶剤
頻出問題のポイント
- 有機溶剤の分類(第一種・第二種・第三種)
- 局所排気装置の設置義務
- 作業環境測定・特殊健診の頻度(6か月ごと)
覚え方
| 有機溶剤種別 | 代表物質 | 毒性 |
|---|---|---|
| 第一種 | クロロホルム、四塩化炭素 | 最強 |
| 第二種 | トルエン、キシレン、酢酸エチル | 中程度 |
| 第三種 | ガソリン、石油エーテル | 比較的低い |
覚え方のコツ: 第一種が「クロ系」(クロロホルム・四塩化炭素などCl含む物質)と覚えると便利です。
テーマ7: 特定化学物質
頻出問題のポイント
- 分類: 第1類(確実な発がん物質)・第2類・第3類
- 特別管理物質の記録保存: 30年
- 作業環境測定・特殊健診: 6か月ごと
覚え方: 「特別管理物質の記録は30年」はほぼ毎回出題される最重要数値です。石綿と合わせて必ず覚えましょう。
テーマ8: 粉じん・石綿
頻出問題のポイント
- 石綿使用建材の除去工事: 事前調査・届出が必要
- 石綿取扱いの記録保存: 40年
- 防じんマスクの種類と使い分け
引っかけ注意: 石綿の記録保存期間は特定化学物質の「30年」と混同されやすいですが、石綿は40年保存が正解です。
テーマ9: 作業主任者
頻出問題のポイント
- 作業主任者が必要な作業(有機溶剤・酸欠・石綿・鉛・特化物作業など)
- 選任は「技能講習修了者」または「都道府県労働局長免許取得者」から
- 氏名と職務を作業場に掲示する義務
覚え方: 「危険・有害作業には必ず作業主任者を選任し、名前を張り出す」という原則を覚えましょう。
テーマ10: 局所排気装置と定期自主検査
頻出問題のポイント
- 年1回以上の定期自主検査義務
- 記録は3年保存
- フードの種類: 囲い式(効率最高)> 外付け式 > レシーバー式
覚え方: 「囲い式 > 外付け式」の優先順位と「年1回・3年保存」の数値をセットで覚えましょう。
関係法令の学習ステップ
ステップ1: 全体を一覧で把握する
まず「何人以上で何が必要か」「何か月ごとに何をするか」という一覧表を自分で作成します。この一覧表を毎日眺めることで、自然と数値が頭に入ります。
ステップ2: 問題演習で出題パターンを知る
過去問・予想問題を解いて、どんな形で数値が問われるかを体感します。「誤っているものはどれか」という形式の問題が多いので、各選択肢が「なぜ誤りか」を説明できるレベルまで理解しましょう。
ステップ3: 引っかけパターンを把握する
よくある引っかけパターンは決まっています。
- 数値の間違い(50人を30人と言い換えるなど)
- 頻度の間違い(年1回を6か月ごとと言い換えるなど)
- 主語の入れ替え(事業者の義務 vs 労働者の権利)
- 費用負担の逆転(費用は事業者負担が原則)
まとめ
- 関係法令は「人数・頻度・保存期間」の数値の暗記が最重要
- 一覧表を作成して毎日確認することが最も効果的な学習法
- 「誤っているものはどれか」形式の問題が多く、引っかけパターンを把握することが大切
- 特別管理物質の30年・石綿の40年はほぼ毎回出題される必須知識
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監修・執筆
setsucan 編集部
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