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第一種電気工事士の技能試験は、事前に公表される候補問題の中から1問が出題される実技試験です。対策方法が明確な試験のため、候補問題を全て練習することで合格率を大きく高めることができます。
この記事では、第一種電気工事士の技能試験の概要と、候補問題を攻略するための具体的な方法を解説します。
技能試験の概要
試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 40分 |
| 課題 | 事前公表の候補問題(例年10〜13問程度)から1問 |
| 持参工具 | 指定された工具(試験センターの案内に従う) |
| 合否基準 | 欠陥がなければ合格 |
第二種との主な違い
| 項目 | 第一種 | 第二種 |
|---|---|---|
| 試験時間 | 40分 | 40分 |
| 使用電線の種類 | 多い(高圧側も含む) | 比較的少ない |
| 候補問題の複雑さ | 複雑(制御回路・スター等) | やや簡単 |
| 技能試験回数 | 年1回 | 年2回(上期・下期) |
欠陥基準を理解する
技能試験では「欠陥がなければ合格」です。欠陥の種類と内容を正確に把握することが最優先事項です。
重大欠陥(1つで即不合格)
- 電線の誤接続(極性違い・回路違い)
- 接続点への力を加えたときに外れる(圧着不良)
- ケーブルの被覆を傷つけた(芯線への傷)
- 完成しなかった(未完成)
軽欠陥(2つで重大欠陥と同等)
- 絶縁被覆のはぎ取り長さが規定外
- スリーブ・コネクタの種類選択ミス
- アウトレットボックスへの不適切な固定
複線図の書き方をマスターする
複線図が重要な理由
技能試験での配線作業は、複線図を正確に書けないと正しくできません。複線図は「配線の設計図」であり、これが間違っていると配線全体が誤りになります。
複線図の基本手順
第1ステップ:単線図を確認 問題用紙の単線図(1本の線で描かれた概略図)を確認する。
第2ステップ:電源の引込み 電源からの接地側(白線)と非接地側(黒線)を書く。
第3ステップ:接地側配線 接地側(白線)を全ての負荷のN極・コンセントのN極に接続する。
第4ステップ:スイッチ配線 非接地側(黒線)をスイッチへ接続し、スイッチからの帰り線を負荷へ接続する。
第5ステップ:確認
- 電源から負荷まで閉回路になっているか
- コンセントの極性は正しいか
- スイッチの接続は正しいか
第一種特有の複線図ポイント
第一種の技能試験では、以下の要素が含まれる候補問題が出題されます。
- タイマー・電磁接触器を含む制御回路
- 三相3線式電源を含む動力回路
- 自動点滅器・漏電遮断器の接続
これらは第二種にはない要素で、早めに慣れておくことが必要です。
練習の進め方
フェーズ1:複線図の習得(1〜2週間)
まず電線を使わず、複線図を書く練習だけ行います。
- 全候補問題の複線図を1日2〜3問のペースで練習
- 見ながら書く → 見ないで書けるようにする
フェーズ2:基本作業の習得(1週間)
電線のストリッピング・器具への接続・圧着・差込コネクタの使い方を練習します。
ストリッピングの目安
| 接続方法 | 被覆除去の長さ |
|---|---|
| 圧着スリーブ | 2cm程度 |
| 差込形コネクタ | 1.2〜1.5cm |
| 端子台 | 1.5cm程度 |
フェーズ3:候補問題を全問練習(4〜6週間)
1問ずつ施工して完成させる練習を行います。
練習の優先順位
- 苦手な候補問題を多く練習
- 時間がかかる候補問題を重点的に練習
- 全問40分以内に完成できるようにする
フェーズ4:時間を計った仕上げ練習(2週間)
本番と同じ条件(40分・工具セット)で練習します。
タイムの目安
| 状態 | タイム |
|---|---|
| 最初(未練習) | 60〜90分 |
| 練習中(慣れてきた頃) | 50〜60分 |
| 合格圏(余裕あり) | 35〜40分以内 |
工具と練習キットの選び方
必要な工具(例)
| 工具 | 用途 |
|---|---|
| 電工ナイフ | ケーブルの外装除去 |
| ワイヤーストリッパー | 電線の絶縁被覆除去 |
| ペンチ | 電線の切断・曲げ |
| 圧着工具(リングスリーブ用) | 電線の圧着接続 |
| ドライバー(+・-) | 端子ネジの締め付け |
| スケール | 電線の切断長さ計測 |
練習キットの選び方
電線・器具のセットが入った練習キットは、各メーカーから販売されています。候補問題を2〜3周練習できる量のキットを購入することをおすすめします。1周だけの量だと練習量が不足します。
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まとめ
第一種電気工事士の技能試験は、候補問題の反復練習が合格への最短ルートです。
- 複線図を正確に書けるようにする(作業より先に複線図)
- 欠陥基準を覚えて練習中から意識する(重大欠陥は1つで即不合格)
- 全候補問題を40分以内に完成できるまで反復する
技能試験の合格率は60〜70%程度ですが、しっかり練習した受験者の合格率はさらに高くなります。早めに練習キットを入手して、手を動かす練習を積み重ねてください。
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監修・執筆
setsucan 編集部
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