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第三種冷凍機械責任者は、ビルメンテナンス(ビルメン)業界でキャリアアップを目指す方が取得するステップアップ資格のひとつです。ビル空調設備の中核を担う冷凍機械を取り扱うための国家資格で、設備管理の現場で即戦力として活躍するうえで評価されます。
この記事では、第三種冷凍機械責任者の概要から合格率・試験内容・受験資格・活用場面まで、受験を検討している方に向けて詳しく解説します。
この記事でわかること
- 第三種冷凍機械責任者の資格概要と取扱い範囲
- 合格率と試験の難易度
- 試験科目と出題形式の詳細
- 受験資格と免許取得の流れ
第三種冷凍機械責任者とは
資格の概要
冷凍機械責任者は、高圧ガス保安法に基づく国家資格です。一定規模以上の冷凍設備を使用する事業所では、冷凍保安責任者の選任が義務付けられており、その資格として冷凍機械責任者が必要です。
冷凍機械責任者には第一種・第二種・第三種の3種類があり、取り扱える冷凍能力の規模が異なります。
取扱い範囲の比較
| 資格 | 取り扱える冷凍能力 |
|---|---|
| 第一種冷凍機械責任者 | すべての冷凍設備 |
| 第二種冷凍機械責任者 | 1日の冷凍能力300トン未満 |
| 第三種冷凍機械責任者 | 1日の冷凍能力100トン未満 |
ビルの空調設備(チラーユニット・冷凍機等)の多くは100トン未満の冷凍能力で運転されており、第三種で十分対応できる現場が多くあります。
ビルメン業界での位置づけ
ビルメン4点セット(第二種電気工事士・危険物乙4・消防設備士乙6・二級ボイラー技士)の取得後に目指す「ビルメン上位資格」のひとつとして位置づけられています。
第三種冷凍機械責任者を取得することで、冷凍機・チラー・空調機器の保安管理ができる設備管理者として、担当できる業務範囲が広がります。
試験の種類と内容
第三種冷凍機械責任者試験は、一般財団法人高圧ガス保安協会が実施します。
試験形式
- 試験形式: 五肢択一のマークシート方式
- 試験時間: 2時間
- 試験開催: 年1回(例年11月)
試験科目と問題数
| 科目 | 問題数 |
|---|---|
| 法令 | 20問 |
| 保安管理技術 | 15問 |
| 合計 | 35問 |
第三種は学識科目(計算問題)が免除されており、法令と保安管理技術の2科目のみです。第一種・第二種と比べてシンプルな構成です。
合格基準
- 各科目で60%以上の得点が必要
- 法令: 20問中12問以上
- 保安管理技術: 15問中9問以上
合格率と難易度
合格率の推移
第三種冷凍機械責任者の合格率は年によってばらつきがありますが、おおよそ 30〜40% 程度で推移しています。
過去5年の合格率推移の目安は以下の通りです。
| 年度 | 合格率(目安) |
|---|---|
| 2021年 | 37.3% |
| 2022年 | 29.8% |
| 2023年 | 35.5% |
| 2024年 | 33.1% |
| 2025年 | 38.2% |
年ごとの難易度の波があるため、余裕を持った学習計画が必要です。
難易度の特徴
- 年1回しか受験機会がないため、不合格になると次年度まで待つ必要がある
- 保安管理技術は冷凍サイクルの仕組みの理解が問われ、初学者には難しく感じやすい
- 法令は高圧ガス保安法・冷凍保安規則の数値暗記が中心
- 計算問題(学識)が不要な分、第一種・第二種より取り組みやすい
ビルメン4点セットと比べると難易度は高めですが、試験年1回という機会の希少性を踏まえると、集中して対策する価値のある資格です。
受験資格と免許取得の流れ
受験資格
第三種冷凍機械責任者は受験資格の制限がありません。年齢・学歴・実務経験に関わらず誰でも受験できます。
免許取得の流れ
- 試験申請(7〜9月頃に高圧ガス保安協会のwebサイトで受付)
- 11月の試験日に受験
- 合格後、都道府県知事へ免許交付申請
- 都道府県知事から免許交付
冷凍機械責任者の免許は都道府県知事が交付します(ボイラー技士の厚生労働大臣交付とは異なる点に注意)。
試験日程と申込方法
- 試験開催: 年1回、例年11月上旬
- 申込期間: 例年7〜9月頃
- 申込方法: 高圧ガス保安協会のwebサイトまたは郵送
- 受験手数料: 14,100円(2026年現在)
- 合格発表: 例年12月中旬〜1月上旬
年1回しか受験機会がないため、申込期間を逃さないよう注意が必要です。
ビルメン業界での活用場面
担当できる設備
- ビル・商業施設の冷凍機(チラー)
- 大型空調設備の冷凍ユニット
- 冷凍・冷蔵倉庫の設備
- 工場の冷却設備(100トン未満)
資格手当と年収への影響
第三種冷凍機械責任者は、ビルメン4点セット取得後のステップアップとして評価される資格です。取得により月2,000〜5,000円程度の資格手当が付くケースが多く、設備管理のエキスパートとしての評価向上にもつながります。
まとめ
第三種冷凍機械責任者は合格率30〜40%と、ビルメン4点セットより難易度が高めの国家資格です。試験が年1回しか実施されないため、計画的な学習が特に重要です。
ビル空調の冷凍機を管理できる設備管理者として活躍するための資格として、ビルメン4点セット取得後のキャリアアップを目指す方に強くおすすめします。
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監修・執筆
setsucan 編集部
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