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消防設備士乙6を取得したら、設備管理会社への就職・転職だけでなく、副業やフリーランスとして消火器点検業務を行うという選択肢もあります。実は消防設備士の資格は、本業のかたわら副収入を得る手段として活用している方も少なくありません。
この記事では、消防設備士乙6の資格を使った副業・フリーランスでの活動方法と、始める前に知っておくべきことを解説します。
消防設備士の副業で何ができるのか
消火器点検が主な業務
消防設備士乙6で行える業務は消火器の整備・点検です。副業として行う場合も、この範囲の中で活動します。
具体的な業務内容
- 消火器の外観点検(設置状況・本体状態・指示圧力計確認等)
- 消火器の機器点検(6ヶ月ごとの定期点検)
- 消火器の総合点検(年1回)
- 点検報告書の作成
- 消火器の交換・廃棄の手配
どんな場所が対象になるのか
消火器の設置が義務付けられている防火対象物には、さまざまな場所があります。
| 場所の種類 | 規模感 | 特徴 |
|---|---|---|
| 飲食店・カフェ | 小規模 | 消火器が数本〜十数本程度 |
| オフィスビル | 中〜大規模 | フロアごとに消火器設置 |
| マンション・アパート | 中規模 | 廊下・駐車場に設置 |
| 工場・倉庫 | 大規模 | 広い敷地に多数設置 |
| 商業施設 | 大規模 | 消防設備会社との連携が必要 |
副業の場合は、小規模な飲食店・小オフィス・マンションなどから始めるのが現実的です。
副業として消防設備点検を始める方法
方法1: 消防設備会社・点検会社のパート・アルバイト
最も始めやすい方法が、既存の消防設備点検会社でパートタイムや業務委託として働くことです。
メリット
- 初めてでも教えてもらえる環境がある
- 機材・資料・点検記録書式が揃っている
- 仕事の探し方・報告書の書き方を実践で学べる
探し方
- Indeed・Wantedly等の求人サイトで「消防設備点検 パート」「消防設備士 業務委託」等で検索
- 地域の消防設備工事・点検会社に直接問い合わせる
報酬の目安: 日当1〜2万円程度(地域・経験によって異なる)
方法2: 知人・SNSからの直接受注
知人のビル・店舗・マンションの点検を直接受注する方法です。小規模な飲食店やオフィスなら、オーナーと直接契約して点検業務を担当できます。
メリット
- 仲介会社不要で収入率が高い
- 融通がきくスケジュールで働ける
注意点
- 自分で点検記録書類・報告書を用意する必要がある
- 点検機材(圧力計・点検記録票等)を自前で準備する必要がある
- 消防署への点検報告の流れを理解しておく必要がある
方法3: フリーランスとして独立開業
消防設備点検を専業のフリーランスとして行う本格的な方法です。
個人事業主として開業するための準備
- 税務署への開業届(個人事業の開業届出書)の提出
- 点検機材の購入(圧力計・点検棒・記録票等)
- 損害賠償保険の加入(万一の事故に備える)
- 法人への営業活動・見積書作成の仕組みづくり
収入の目安(フリーランス独立の場合)
| 規模 | 年収の目安 |
|---|---|
| 副業程度(月2〜4日稼働) | 年20〜50万円程度 |
| 準専業(週2〜3日稼働) | 年100〜200万円程度 |
| 専業フリーランス | 年300〜500万円程度(経験・顧客数による) |
点検業務の実際の流れ
1. 顧客との契約
点検対象の建物オーナーまたは管理会社と点検契約を結びます。年間契約が一般的です。
2. 点検の実施(機器点検:6ヶ月ごと)
消火器の外観点検・機能確認を行い、点検記録票に記録します。
- 設置場所・数量の確認
- 外観(腐食・変形・損傷)の確認
- 指示圧力計の針の確認
- 安全栓・封印シールの確認
- ホース・ノズルの確認
3. 点検記録票の作成
点検結果を消防庁の定める書式で記録します。
4. 点検報告書の作成・提出
年1回の総合点検後、防火対象物の管理者に点検報告書を作成・提出します。特定防火対象物は消防署への提出が必要です。
副業開始前に準備すること
必要な知識の習得
消防設備士乙6の資格取得だけでなく、実務的な知識も必要です。
- 点検報告書の記載方法(消防庁の書式)
- 消防署への報告が必要な場合とそうでない場合の違い
- 廃棄消火器の処分方法(リサイクルルート)
- 消火剤の種類と充填方法(交換・再充填が必要な場合)
必要な機材
| 機材 | 用途 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 点検記録票 | 消防庁書式の記録票 | 低コスト(印刷可) |
| 圧力測定器 | 蓄圧式消火器の圧力確認 | 数千円〜 |
| 秤(はかり) | 消火器の質量確認 | 数千円〜 |
| 作業用工具 | キャップの開閉等 | 数千円〜 |
法的な注意点
消防設備士乙種の業務制限 乙種は工事(設置・改修)はできません。副業でできるのは「整備・点検」の範囲内に限られます。新規設置や大規模な改修工事は甲種資格保有者が行う必要があります。
定期講習の義務 消防設備士は取得後2年以内、その後5年ごとに定期講習を受講する義務があります。副業の場合も免状保有者として講習を受ける義務があります。
消防設備士の副業を活かしたキャリアパス
消防設備士乙6を起点として、より専門性の高い資格取得を目指すキャリアパスがあります。
ステップアップ資格の例
- 消防設備士甲種第4類: 自動火災報知設備の工事も担当可
- 消防設備士乙種第7類: 漏電火災警報器の点検も担当可
- 消防設備点検資格者: 消防設備全般の点検が行える
- 危険物取扱者乙4: 危険物施設の点検業務も追加
複数の資格を組み合わせることで、副業の幅が広がり、顧客への提案力も高まります。
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まとめ
- 消防設備士乙6の副業は「点検会社のパート」「直接受注」「フリーランス独立」の3パターン
- 初めての副業は消防設備点検会社のパート・業務委託から始めるのがおすすめ
- 副収入の目安は月2〜4日稼働で年20〜50万円程度(規模・経験による)
- 乙種は「整備・点検」のみ。工事は甲種が必要
- 副業開始前に点検報告書の書式・廃棄消火器の処分方法など実務知識を習得する
- 甲4・乙7など関連資格を追加取得することで副業の幅が広がる
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監修・執筆
setsucan 編集部
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