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「これからボイラーが減っていく時代に、ボイラー技士の資格を取っても意味あるの?」という疑問を持つ方は少なくありません。確かに近年はヒートポンプや地域熱供給など、ボイラーを使わない設備が増えています。
この記事では、二級ボイラー技士の現状と将来性をデータをもとに正直に解説します。
ボイラーレス化の現状
ボイラー使用建物は本当に減っているのか
都市部を中心に、新築の大型商業ビル・オフィスビルでは電気式のヒートポンプやVRF(Variable Refrigerant Flow)システムが主流になりつつあります。東京都内の大規模オフィスビルでは、ボイラーを使わない「電気設備のみ」の建物も増えています。
一方で、既存の建物(ストック)には多くのボイラーが現役稼働中です。
- 学校・病院・工場・ホテル・温泉施設
- 1970〜2000年代に建てられたビル群
- 地域熱供給プラントのボイラー設備
既存建物のリニューアルサイクルは数十年単位です。当面の間、ボイラー設備は大量に稼働し続けます。
ボイラー技士の就業者数
令和5年(2023年)版の免許種別免許保有者数データによると、二級ボイラー技士の免許保有者は全国で約100万人を超えています。一方で高齢化が進んでおり、現場で実際に働ける資格保有者の確保が課題になっています。
二級ボイラー技士の価値はどこにあるか
ビルメン4点セットとしての価値
二級ボイラー技士はビルメン4点セット(電工2種・危険物乙4・消防乙6・ボイラー2級)の一つです。4点セットをコンプリートすることで:
- 求人の応募条件を満たしやすくなる
- 各種資格手当が積み上がる(月1,000〜5,000円/資格が一般的)
- 採用・昇給での評価が上がる
ボイラー2級単独の価値より、セット全体としての価値 が高いことを理解しましょう。
ボイラー取扱作業主任者としての役割
ボイラーが設置された事業所では、法令によりボイラー取扱作業主任者の選任が義務付けられています。ボイラーがある現場では資格保持者が必ず必要です。
この「必要とされる現場」が今後も相当数存在することは確実です。
正直な将来性評価
短期(〜2030年):需要は維持される
既存建物のボイラーは引き続き稼働するため、ボイラー技士の需要は維持されます。高齢化で引退するベテランの補充需要も発生します。
中長期(2030年〜):徐々に縮小する可能性
環境規制の強化・脱炭素の流れ・ヒートポンプ技術の向上により、中長期的にはボイラー設備の新規導入は減少していくと考えられます。
ただし、完全になくなることはない
病院・工場・食品製造・温泉施設など、高温蒸気が必要な用途ではボイラーは代替が難しい設備です。ニッチではありますが、確実な需要が残ります。
取得を推奨するのはどんな人か
二級ボイラー技士の取得をおすすめするのは:
- ビルメン4点セットを取り揃えたい人(最大のメリット)
- 現在ボイラー設備のある職場に勤務・転職を考えている人
- 設備管理・ファシリティマネジメントのキャリアを積みたい人
- 資格手当で収入アップを狙いたい人
逆に、「ボイラー技士1つだけで食べていきたい」という考えは現実的ではありません。複数の設備系資格と組み合わせてキャリアを構築することが重要です。
ビルメン4点セット取得後のキャリアパス
ボイラー2級を含む4点セット取得後は、さらに上位の資格へのステップアップが可能です。
| 上位資格 | 概要 |
|---|---|
| 一級ボイラー技士 | より大型のボイラーを取り扱える |
| ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者) | 設備管理の最高峰資格 |
| 電気主任技術者 | 電気設備の専門資格(収入アップに直結) |
| 冷凍機械責任者 | 空調・冷凍設備の資格 |
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まとめ
二級ボイラー技士は短中期的には需要が維持されますが、長期的にはボイラー設備の減少とともに需要が縮小する可能性があります。
ただし、ビルメン4点セットの一角として取得する価値は依然として高い。資格手当・採用での優遇・ビルメン転職の条件クリアという観点では、今でも取得しておくべき資格の一つです。
「ボイラー2級1つで将来が保証される」という考えは持たず、複数の設備系資格を組み合わせたキャリア設計を意識しましょう。
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監修・執筆
setsucan 編集部
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