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衛生管理者を取得しようと調べ始めると「第一種と第二種、どちらを受ければいいか」という疑問にぶつかります。結論から言えば、ビルメンテナンス(ビルメン)業界で働く方や有害業務のある職場には第一種が必要です。
この記事では、第一種と第二種の違いを具体的に比較し、どちらを選ぶべきかの判断基準を解説します。
この記事でわかること
- 第一種・第二種の適用業種と取扱い範囲の違い
- 試験科目・合格率・難易度の比較
- 職種・職場環境別のおすすめ選択肢
- 第二種取得後に第一種へ切り替える方法
第一種と第二種の基本的な違い
適用できる業種の違い
最も重要な違いは「どの業種の職場で使えるか」です。
| 項目 | 第一種 | 第二種 |
|---|---|---|
| 適用業種 | すべての業種 | 一部の業種のみ |
| 有害業務のある職場 | 対応可 | 対応不可 |
| 免許の上位・下位 | 上位 | 下位 |
第二種が使える業種は、農林畜水産業・金融保険業・情報通信業・卸売小売業・医療・清掃業など、「有害業務が少ない」とみなされる業種に限られています。
製造業・建設業・ビルメンテナンス業・運輸業などは第二種では対応できず、第一種が必要です。
ビルメンテナンス業界は第一種が必要
ビルメンテナンス会社は第二種が使える業種に含まれていません。設備管理の現場では有害物質(防錆剤・薬品・アスベスト等)を扱う作業や、騒音・粉じんが発生する作業も行われるため、有害業務に対応した第一種が必要です。
試験科目の違い
第一種と第二種の科目比較
| 科目 | 第一種 | 第二種 |
|---|---|---|
| 労働生理 | 10問 | 10問 |
| 労働衛生(有害業務なし) | 7問 | 10問 |
| 関係法令(有害業務なし) | 7問 | 10問 |
| 労働衛生(有害業務あり) | 10問 | なし |
| 関係法令(有害業務あり) | 10問 | なし |
| 合計 | 44問 | 30問 |
第二種は有害業務に関する科目がなく、問題数も少なくなっています。第一種のほうが試験範囲が広く、難易度が高い構成です。
合格率と難易度の比較
合格率
| 資格 | 合格率(目安) | 年間受験者数(目安) |
|---|---|---|
| 第一種衛生管理者 | 43〜46% | 約6万人 |
| 第二種衛生管理者 | 47〜53% | 約3万人 |
第二種は第一種よりやや合格率が高く、試験範囲が狭い分だけ取り組みやすい水準です。ただし、どちらも五肢択一で各科目40%以上・全体60%以上が必要な点は共通しています。
学習時間の目安
- 第一種: 100〜150時間
- 第二種: 70〜100時間
有害業務に関する科目がない分、第二種のほうが短い学習時間で合格できます。
どちらを選ぶべきか
第一種を選ぶべきケース
以下の条件に当てはまる方は、最初から第一種の取得を目指すことをおすすめします。
- ビルメンテナンス・設備管理・製造業・建設業で働いている
- 現在または将来的に有害物質や騒音を扱う職場で働く可能性がある
- 職場の選任担当者として確実に対応できる資格が欲しい
- どうせ取るなら上位資格を一度で取りたい
第二種を先に取るケースが合理的なケース
以下の条件に当てはまる方は、第二種から始める選択肢もあります。
- 現在の職場が第二種対応の業種(金融・IT・医療等)である
- 早期に資格を取得して選任実績を作りたい
- 有害業務のある職場に転職する予定がない
ただし、将来的にキャリアチェンジや転職を考えている場合は、第一種を直接目指すほうが時間・費用の節約になります。
第二種から第一種への切り替え
第二種取得後に第一種へ切り替える場合、差分科目(有害業務に関する労働衛生・関係法令)のみの受験で取得できます。第一種を最初から受験するより学習負荷は少なく済みますが、2回試験を受ける手間と費用(受験料8,800円×2回)がかかります。
試験申込みから合格までの流れ(共通)
- 受験資格の確認(実務経験1〜10年。学歴によって異なる)
- 事業場での実務経験証明書を取得(職場の人事・総務に依頼)
- 安全衛生技術試験協会のwebサイトまたは郵送で申請
- 全国7か所の安全衛生技術センターで受験
- 合格後、都道府県労働局を通じて免許申請
- 厚生労働大臣から免許交付
まとめ
第一種衛生管理者と第二種衛生管理者の最大の違いは「適用できる業種の範囲」です。
ビルメンテナンス業界や製造業・建設業など有害業務が発生しうる職場では、第二種は使用できません。将来的なキャリアの幅を考えると、最初から第一種の取得を目指すほうが合理的です。
合格率は第一種43〜46%・第二種47〜53%と、第一種のほうが難しい水準ですが、出題傾向が明確なため計画的な学習で独学合格を目指せます。
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監修・執筆
setsucan 編集部
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