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消防設備士乙6の実技試験(鑑別等試験)の中で、多くの受験者が苦手とするのが写真を見て消火器の種類や部品を答える「写真鑑別」問題です。
写真を見て即座に判断する力は、繰り返し見て覚えることが最も効果的です。この記事では、消火器の種類・部品の見分け方を体系的に解説します。試験本番で確実に得点するための識別のコツを押さえましょう。
消火器の識別・見分け方
消火器の種類を見分ける3つの手がかり
写真鑑別で消火器の種類を識別するために確認すべきポイントは3つです。
- ノズル・ホースの形状
- 指示圧力計の有無
- 本体ラベルの絵表示と文字
これらを組み合わせることで、写真だけでほぼすべての消火器を識別できます。
粉末消火器(ABC粉末)の見分け方
外観の特徴
- 赤い円筒形の本体
- 黒いホースとノズル(先端が細い)
- 指示圧力計(蓄圧式の場合)が本体に付いている
- 本体ラベルに「粉末消火器」または「ABC消火器」の表示
識別のコツ
- 指示圧力計があれば蓄圧式粉末消火器の可能性が高い
- ラベルの絵表示(A・B・C)を確認する
- 最も一般的な消火器であり、ビルの廊下によく設置されている
二酸化炭素消火器の見分け方
外観の特徴
- 赤い本体(他の消火器より重厚感がある)
- ラッパ状(ホーン型)のノズル(最大の特徴)
- 高圧ガス容器のため本体が分厚くて重い
- 指示圧力計がない(高圧ガスのため圧力計の形式が異なる)
識別のコツ
- ホーン(ラッパ型ノズル)があれば迷わず二酸化炭素消火器
- 他のすべての消火器と明らかに異なるノズル形状が識別の決め手
- サーバー室・電気室・精密機器のある場所に設置されることが多い
強化液消火器の見分け方
外観の特徴
- 赤い本体
- 細いホースとノズル(霧状・棒状どちらのタイプもある)
- 指示圧力計がある(蓄圧式の場合)
- 本体ラベルに「強化液消火器」の表示
識別のコツ
- ラベルの「強化液」の文字が識別の決め手
- 粉末消火器と外観が似ているため、ラベルを確認することが重要
- 霧状ノズルタイプはABC全火災に対応
ハロン消火器(現在は販売規制中)
外観の特徴
- 赤い本体
- 現在は新規製造・販売が規制されており、古い建物に残存
- 本体ラベルに「ハロン1211」「ハロン1301」等の表示
試験でのポイント
- 現在は設置されないが、試験知識として出題されることがある
- ハロンはオゾン層破壊物質のため1994年に製造規制
水消火器の見分け方
外観の特徴
- 赤い本体
- シンプルなノズル
- 本体ラベルに「水消火器」の表示
- A火災専用(最も基本的な消火器)
識別のコツ
- 現在の設置は少ないが、試験には出題される
- 強化液消火器との違いはラベルの記載
部品の識別・見分け方
指示圧力計の見分け方
指示圧力計は蓄圧式消火器に付いている丸い計器です。
正常・異常の判定
| 針の位置 | 判定 | 対処 |
|---|---|---|
| 緑色帯内(0.7〜0.98MPa) | 正常 | 異常なし |
| 緑色帯より低い(赤色帯) | 圧力不足 | 交換または再充填 |
| 緑色帯より高い | 過充填 | 圧力調整が必要 |
識別のコツ
- 緑色帯=正常範囲
- 赤色帯(低圧側)=ガス漏れ・圧力不足
- 針が動かない・破損: 交換が必要
安全栓(安全ピン)の識別
安全栓は操作レバーに取り付けられたリング状の安全装置です。
状態別の判定
| 状態 | 判定 |
|---|---|
| 安全栓あり・封印シールあり | 未使用・正常 |
| 安全栓なし・封印シール破れ | 使用済みまたは不正操作 |
| 安全栓なし・シールあり | 要確認(点検で確認) |
ホース・ノズルの識別
ホースとノズルの状態を確認する点検では、以下の異常を判定します。
異常の種類
| 異常 | 判定 |
|---|---|
| ホースに亀裂・変形 | 交換が必要 |
| ノズルの詰まり | 清掃または交換 |
| ホースの硬化・変色 | 劣化のため交換推奨 |
| ホースとキャップの接続部ゆるみ | 増し締めまたは確認 |
本体容器の状態識別
要注意の外観異常
| 異常 | 判定 |
|---|---|
| さびの発生(軽微) | 清掃・再塗装の検討 |
| 腐食が深く貫通する恐れ | 廃棄 |
| 変形・打痕が著しい | 廃棄 |
| 塗料の浮き・剥がれ | 腐食の初期サイン(要注意) |
実際の出題パターンと解答例
パターン1: 消火器の種類を答える
問題例: 写真に示す消火器の種類を答えよ(ホーン型ノズルの消火器の写真)
解答例: 二酸化炭素消火器
ポイント: ホーン(ラッパ型)ノズルを見たら即座に「二酸化炭素消火器」と判断する。
パターン2: 指示している部品の名称を答える
問題例: 写真中の矢印が指す部品の名称を答えよ(安全栓を指した写真)
解答例: 安全栓(または安全ピン)
ポイント: 部品名称は正式名称で答える。「リング」「ピン」だけでは減点の可能性あり。
パターン3: 正常・異常の判定
問題例: 写真の指示圧力計について、正常か異常かを答え、異常の場合は理由を述べよ
解答例: 異常。針が緑色帯より低い位置(赤色帯)にあり、内部圧力が規定値より低下しているため。ガス漏れまたは消火剤の吸湿による圧力低下が考えられる。
ポイント: 「異常」だけでなく「理由」まで答えることが求められる。
パターン4: 点検方法を答える
問題例: 蓄圧式粉末消火器の外観点検で確認すべき事項を4つ答えよ
解答例:
- 本体容器の腐食・変形・損傷の有無
- 指示圧力計の針が正常範囲(緑色帯)内にあるか
- 安全栓・封印シールの取付状態
- ホースおよびノズルの亀裂・変形・詰まりの有無
写真鑑別の学習法まとめ
1. 参考書の写真を徹底的に見る
参考書に掲載されている消火器・部品の写真を見て、各部品の名称を声に出して言う練習をする。写真を指で指しながら「これが安全栓・これが指示圧力計・これがホース」と確認する。
2. 実物を観察する
日常生活で消火器を見かけたら積極的に観察する。コンビニ・マンション・学校・職場など、どこにでも消火器は設置されています。
3. 名称の正確な記述練習
部品名称を紙に書く練習をする。正確な表記で書けるようにすることが、記述式試験での得点につながります。
4. 判定問題の練習
「正常・異常の判定」「異常の理由」「対処方法」をセットで答える練習をする。
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まとめ
- 消火器の種類識別は「ノズル形状・指示圧力計の有無・ラベル表示」の3点で行う
- 二酸化炭素消火器のホーン(ラッパ型)ノズルは最重要識別ポイント
- 指示圧力計の判定は「緑色帯=正常・赤色帯=圧力不足」
- 安全栓+封印シールがあれば未使用・正常。どちらかが欠けたら要確認
- 部品名称は正式名称(安全栓・操作レバー・指示圧力計)で正確に書く
- 実物の消火器を日常的に観察することが実技試験対策の近道
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監修・執筆
setsucan 編集部
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